財団について

理事長挨拶

このたび一般財団法人上野千鶴子基金を開設いたしましたのでご案内申しあげます。

ひとの倍から3倍、働いてきました。収入もそれに見合うだけありました。ブランドにも宝飾にも興味がなく、シンプルな暮らしをしてきましたので、おカネが残りました。わたしの人生も終わりから数える方が早くなり、使い道を考えるようになりました。
子どものいないわたしには遺す者がいません。遺言書を書きましたが、死んでから遺贈するよりも生きているあいだに、使い道を選びたいと思うようになりました。そこで財団を設立することにいたしました。
財団の名称に個人名を記すことにためらいがありました。が、友人たちから、名前だけで財団の目的が説明しなくてもわかるから使わない手はない、とつよく勧められました。なるほど、と思いました。で、僭越ですが、上野千鶴子基金と名づけました。
すでに功成り名遂げた方を顕彰することはいたしません。草の根の名もない団体や個人などの活動や、これから伸びしろのある研究、必要な調査や価値のある事業を支援したいと思います。目的はもちろん、ジェンダー平等の促進のためです。定款では広くSDGsに関わる事業と記しましたが、それというのも近年では、福祉、環境、高齢、児童、政治、開発などの分野でも「ジェンダー」を掲げずにジェンダーに関わる事業や活動、調査や研究等を手がけている方たちが増えてきたからです。

本財団の開設は、ちょうど盟友竹村和子さんの遺産をもとに設立された竹村和子フェミニズム基金の終了年にあたります。竹村基金は10年間にわたって、計76件の価値のある助成事業を実施してきました。竹村基金の支援を受けて実現した成果も多々あります。竹村基金の継続を期待していた方たちにとっても、それを受け継ぐ趣旨があることをも申し添えます。

財団の評議員と理事には私が信頼する方たちに就任していただきました。上野千鶴子基金は公平・公正・中立などをめざしません。学歴や所属、性別や国籍も問いません。ご応募をお待ちしております。

2023年5月吉日

一般財団法人上野千鶴子基金 理事長 上野千鶴子

 

設立者プロフィール

上野千鶴子(うえのちづこ) 

社会学者・東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長
京都大学大学院社会学博士課程修了。社会学博士。専門は女性学、ジェンダー研究。高齢者の介護とケアも研究テーマとしている。『おひとりさまの老後』『ケアの社会学』『女ぎらい ニッポンのミソジニー』など著書多数。近刊に『女の子はどう生きるか、教えて!上野先生』『在宅ひとり死のススメ』『フェミニズムがひらいた道』『上野千鶴子がもっと文学を社会学する』。

 

組織

   名称  : 一般財団法人上野千鶴子基金

   代表理事: 上野千鶴子

   理事  : 上野千鶴子
         桜井陽子
         渋谷典子
         中塚圭子

   監事  : 和田享子

   評議員 : 春日キスヨ
         河野貴代美
         満田康子

   事務局:  東京都武蔵野市中町1丁目11番16-2701号
         Email:ufinfo@uenofoundation.com